「最近、神田のゲーセン減ってない……?」
そんな声を耳にすることが増えました。
実際、ここ数年で神田エリアのゲームセンターは次々と姿を消し、ファンの間でも寂しさが広がっています。
なぜ神田だけ、こんなに閉店が続いてしまったのか。
土地柄や業界の変化を踏まえて、いくつかの要因を整理してみました。
減ってないどころか実はもう1店舗もない全滅状態…
Contents
ビジネス街だからこその“客層の偏り”
神田は、昔から会社員向けの街。
ランチタイムや仕事帰りの時間帯は人が多いものの、休日・夜間は一気に人通りが減るのが特徴です。
ゲームセンターの多くが週末の家族連れや学生で売上を伸ばす中、
神田は「休日の客層」が極端に薄いことが大きな痛手に。
結果として、安定的な来店数が見込めず、閉店へ追い込まれる店舗が増えてしまいました。
立地コストの上昇
神田~秋葉原エリアは、年々地価と賃料が上昇。
テナント料の負担が重く、ゲームセンターでは採算が合わなくなりがちです。
特にクレーンゲームは、昔よりも売上の波が大きく、
「固定費が安い郊外店舗の方が有利」という構造に。
秋葉原と比べると、神田はゲームの“目的地”としての吸引力が弱いぶん、
高コストに見合う集客が難しかったと言えます。
アキバが近すぎるという地形的弱み
神田のすぐ隣は“ゲームの聖地”秋葉原。
ユーザーの多くが 「遊ぶならアキバでいいか」 となってしまうため、
競合に勝てず衰退した側面もあります。
特にフィギュア・ぬいぐるみ・限定景品など、
アキバは“選ぶ楽しさ”が段違い。
神田の店舗はどうしても比較で不利になってしまうんですよね。
コロナ以降の客足変化とオフィス人口の減少
テレワーク普及で、神田に来る会社員そのものが減少したのも大きな要因です。
ゲームセンターは「ついでの来店」がとても重要。
ランチ後、仕事帰り、会社の飲み会前後…。
そうした流れが減ったことで、客数がグッと落ち込んだ店舗も多いです。
クレーンゲーム偏重モデルへの移行が難しかった
最近のゲーセンは、売上のほとんどをクレーンゲームが支えています。
しかし、神田のようにスペースが限られたテナントでは
クレーンゲーム台を十分に配置できず、
大型店と差別化できないまま撤退を選ばざるを得なかったケースもあります。
かつて神田に存在したゲームセンターたち
僕の記憶にある限り紹介します。
ちなみに全部閉店になりました汗
ウェーブ

神田駅の周辺には大きなゲーセンが少ない中で、
「WAVE(ウェーブ)」は会社員とゲーマーに長く愛された隠れ家的な存在でした。
ビルイン型のコンパクトな店舗ながら、
格闘ゲーム・音ゲー・プライズがバランスよく配置されていて、
“ちょっと仕事帰りに寄りたくなる”落ち着いた雰囲気が魅力でした。
1Fがメダルゲームで2Fがアーケード系でかなり充実したゲーセンでしたね!
ここでバーチャロンをやってたのは良い思い出です。
神田の特性でもある「会社員の街」という背景もあり、社会人ゲーマーが多いお店でした。
- 仕事終わりに格ゲーでバチバチ対戦する人
- 昼休みにサクッと音ゲーだけやって戻る人
- 会社仲間でクレーンゲームを遊ぶ人
大規模店のような華やかさはないけれど、
“地元の常連が支えていた店”という温かさがありました。
JACK & BETTY (JB)

「JB」は、神田エリアの中でも特に会社員の利用率が高かった名店として知られています。
派手さより“遊びやすさ”を大切にした店舗で、仕事帰りにふらっと立ち寄る人が多い、落ち着いた空気のゲーセンでした。
JBといえば、まず印象的だったのが
ビデオゲーム(アーケード)の充実ぶり。
高架下だったのに実は2Fまであってゲームはかなり充実してたんですよね!
格闘ゲームやSTG(シューティング)、往年の名作などが揃っていて、「神田でビデオゲーム遊ぶならJB」という声もあったほど。
最新タイトルより
“やり込む楽しさ”を重視した並びが特徴で、
常連同士の自然な交流が生まれていた場所でした。
アキバのような派手な大型店とは違い、
JBはコンパクトながら温かい空気が流れていました。
店員さんとの距離が近く、台の調整に気を使ってくれるなど、
「地元店ならではの親しさ」が根強いファンを生む要因に。
タイトーステーション神田

2020年ごろまでは残ってた神田で最後のゲーセンです…!
「タイトーステーション神田」は、全国に展開するタイトー系列の中でも比較的小型で、“神田らしさ”が強く出ていた店舗でした。
駅からのアクセスが抜群で、
とくに会社員の利用率が非常に高かったのが特徴です。
限られたスペースを活かしながらも、音楽ゲーム・クレーンゲーム・格闘ゲームがコンパクトにまとまった構成でした。
アキバの巨大店舗と比べると規模は小さいものの、
「仕事帰りに1プレイだけしたい」
「アキバまで行くほどじゃないけど少し遊びたい」
というニーズにしっかり応えていたんです。
特に音ゲーコーナーは固定ファンも多く、昼休みや夕方には常連さんがよく見られました。
ダーツが気軽に楽しめるお店でクレーンゲームは結構取れました!
ボルテックス
「ボルテックス(VORTEX)」は、神田エリアの中でも “コアなゲーマーが集まる店” として知られた存在です。
かなり前過ぎて写真が残ってないのが悲しい…
西口駅前の好立地でありながら、一般的なライトユーザーよりも格ゲー・音ゲー・STGなど“腕に自信のあるプレイヤー”が多く、小型店舗ながら濃厚なプレイヤーコミュニティを形成していました。
ボルテックスの魅力は、何と言っても 選りすぐりのビデオゲーム。
建物は1F~3Fまでゲームセンターで
- 格闘ゲーム
- シューティング
- パズル・対戦ゲーム
- メダルゲーム
- クレーンゲーム
など、しっかり“遊び込みたい”人向けの筐体が充実していました。
アキバに近い立地ながら、「アキバの混雑を避けたい玄人層」があえて訪れることも多かったお店です。
派手な装飾や大量のプライズはないものの、ボルテックスには
「強い人と戦いたい」「同じゲームを深く楽しみたい」
という人たちが集まっていました。
店内は広くないのに、濃いコミュニティが形成されていて、
会社帰りの常連が数人集まるだけで
店内が一気に対戦ムードに包まれるような、独特の熱気がありました。
まとめ:神田は「立地のメリットが消え、弱点が強調された」結果の閉店ラッシュ
- 休日に人がいない
- アキバが強力すぎる
- 賃料が高い
- テレワークで会社員が減った
- 大型化できず競争力不足
これらが同時に起こったことで、神田は全国的に見ても特に“ゲーセン閉店が加速する街”になってしまいました。
神田のゲーセン文化は完全に消えたわけではありませんが、今後は小型・専門特化・コミュニティ型など、新しい形の店舗が求められてくるかもしれませんね。














